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NECエレクトロニクスではNORENをどう使っているか

―NECエレクトロニクスでは現在NORENをどのように活用していますか?

NECエレクトロニクス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 野口 勇(以下、野口氏)

NORENは、社内Webサイトの管理、見た目や使い勝手の統一化、ページ作成の簡易化、半自動化などに使っています。対象事業部は、川崎と相模原の70事業部(社員約6,500人)です。

―NECエレクトロニクスにとっての社内Webの意義とは何ですか?

野口氏

今思い浮かぶところでは、次の2つが意義となります。

1.直接対面を促進するためのツールとしての社内Web

メールやネットは便利な道具ですが、コミュニケーションの密度を求めるなら、やはり実際に会って話す方が良い。それが駄目なら電話。メールやWebはその次だと思います。 しかし弊社の場合、この川崎本社近辺だけで約5,000人の社員がいる大所帯で、対面して話そうにも電話をかけようにも、誰がどこにいて、電話番号は何番なのか、調べるだけで一苦労です。しかし社内Webに、各事業部の概要や、座席表、電話番号を載せておけば、そうした苦労が減ります。

2.会社全体を理解する(見渡す)ためのツールとしての社内Web

NECエレクトロニクスはグループ全体で23,000人、70事業部に21の関係会社があり「巨大組織」と呼んでも良いかと思いますが、ここまでの規模になると、会社全体を理解する(見渡す)のは社員であっても大変です。しかし事業部ごとの社内Webがよく整っていれば、それを見ることで会社の全体像の把握が容易になります。

社内WebをCMSで管理することにはどういう意義があるか

―今の説明でNECエレクトロニクスにとって「社内Webが"ある"ことの意義」が分かりました。次に「CMSを使って社内Webの見た目や内容を管理することの意義」について教えてください。

野口氏

順々に説明すると以下のようになります。

  • 1.仮に事業部ごとにWeb構造がバラバラであったとしても、その事業部の内部では別に困らない。自分たちで使うぶんには、「事業部の、事業部による、事業部のための事業部Web」の要領で自分たちのためだけに運営していればよい。
  • 2.経営者は、各事業部が「何をしている部署」で「今期の目標は何」で、「そのためにどんな活動をしていて」、「だいたいどのぐらい達成されているのか」を統括的に把握したい。
  • 3.社内Webは経営者にとっての「俯瞰的な視点」を実現するツールとなる。各事業部のサイトを見て、概要を大づかみに理解する。
  • 4.新入社員にとってのニーズも、実は経営者にとってのニーズと本質的に同じである。入社してすぐは右も左もわからない。そこで事業部Webツアーをすることで、まず会社全体を大づかみに理解する。
  • 5.新入社員を教育する側としても、「社内Web見ておいて」の一言で済むので効率的だ。
  • 6.ここでCMSの意義がクローズアップされる。デザインやサイト構造はどの事業部Webでも同じである方が、事業部Webツアーをするときに見やすく、分かりやすい。

ちなみに、NECエレクトロニクスは日本電気の事業の柱である通信、半導体、コンピュータのうち、半導体事業が4年前に独立分社してできた会社です。ある意味、社歴も浅く、社内は寄り合い所帯ですし、社長がNEC本体から来ることも多々あります。

そもそも弊社の社内Webのはじまりは、NEC本体から来た別グループ出身社長の、「今のままでは社内がまったく見渡せない。もっと風通し良くしなさい」という指示が始まりでした。その指示に基づき、コーポレートコミュニケーション部が旗振りとなってNECエレクトロニクス社内Webの改善活動が始まりました。2003年頃のことです。

CMS導入以前に社内Webをどう運用していたか

―改善プロジェクトが始まって、まず何をしたのですか?

野口氏

とにかく事業部すべてに社内Webを始めてもらうこと。これが最初の目標でした。

開発系の部署の多くは、自分でApacheのWebサーバを立てて、すでに自分たちの事業部Webを運営していました。こういう所には何もいう必要はありません。一方、事務系の部署は、自分たちでWebサーバを立てたりはできないので、情報システム部門の方で、Webサーバを1つ立てて、そこをホスティングする格好にしました。

―コンテンツの更新はどのように行っていたのですか?

野口氏

開発系の部署は、Unixのテキストエディタか何かでHTMLを手書きしていたようでした。事務系の部署では、PC操作の得意な社員がDreamweaverやホームページビルダーなどの市販ツールを使って更新していました。

しばらくして各事業部のWebが出揃うと、社員みなが積極活用するように、自然と行動体系が変わってきました。こうして利用率が上がれば、次は運用を効率化しようという話になります。大きな節目となったのは、プロジェクト開始1年後の「社内Web幹部会議」で、ある役員が激怒したことです。

手作業の非効率。無視できないオーサリングツールの費用負担

―その役員の方は何に怒ったのですか?

野口氏

社内Web幹部会議の席上で、社内Webの利用率が上がっているという報告に満足した役員が、「で、更新はみなどうやっているんだ」と質問してくるので「手作業です」と回答したところ「バカもの、エレクトロニクス会社がそんな非効率なことでどうするのだ」と怒られました。「では対策を取ります」ということで、いくらかの予算を割り当ててもらい、CMSツールを使って効率化することにしました。

ちなみにCMSツールを導入することは運用効率面だけでなく、費用面でも合理性がありました。例えば、社内でもよく使われていた、あるWeb作成ツールは1本40,000円です。それを70事業部のWeb更新担当者(仮に5人とする)に行き渡るように調達すると、70 * 5 * 40,000で、合計1,400万円にもなります。これは高い。

しかも更新はそのツールがインストールしてあるマシンでしかできない。ちょっとここを更新したいという場合でもツールを持っている人の机まで行って、いちいちお願いしなければならない。高費用、低効率だったのです。

技術者好みの製品 vs 利用部門にとって使いやすい製品

―こうしてCMSに予算がつき、そしてNORENをご導入いただいたわけでしょうか?

野口氏

NORENは、他の電機メーカーでも利用実績があったので、有力な選択肢ではありました。しかしこの時は、諸般の事情により別の製品Aを導入することになりました。

しかし、この製品Aが難物でした。私の印象は「良い製品なのかも知れないが、使えない」でした。

―「良い製品なのかも知れないが、使えない」とはどういうことですか?

野口氏

「情報システム部門の技術者にとってはいい製品なのだろうが、利用者部門にとっては使いづらい」という意味です。対照して述べれば以下の通りです。

製品Aの一長一短
技術者から見て良い点 利用者部門から見て困る点
- XMLとINIファイルの組み合わせでどんなサイトも自由自在に作れる
(その気になれば何でもできる。技術者は自由が好き、「出来ない」というのが一番嫌い)

- コンテンツのWebサーバへの展開を容易に行う機能が充実
(運用負担軽減。情報システム部好み)

- 初期の勉強時間と初期作り込みの手間がかかる
(面倒くさそう。そこまで手間をかける価値があるのか)

- 作り込みの自由があるのは困る。
(作り込む気はない。その自由はいらない)

社内Web用CMSに求める機能水準

―「社内Webだから複雑なことがやれる必要はない」とのことでした。では、どれぐらいの水準のことが実現できれば良いのですか?

野口氏

以下のようなことができれば十分です
(これは今のNORENで実現している運用指針でもあります)。

  • 1.テンプレート設定 (ヘッダ、フッタ、ローカルメニューの自動生成)
  • 2.ナビゲーションや構造、表記の共通化 (企業秘密保持義務の明記。共通レイアウト化)
  • 3.掲載必須事項は必ず載せさせる (事業部のミッション。中期計画。月報。業務分担表。座席表。規定)
  • 4.部門個別情報 (ここは何でもありです。各部門の自由作成。作り込みたい事業所は心ゆくまで作り込んでよい。HTMLの直接入力やファイルアップロードも可)
  • 5.トップページ (CMSによる新着情報の自動生成)
  • 6.サイトマップ、各頁のパンくず・リスト (CMSによる自動生成)

さて、正直言っていやいや使っていた製品Aですが、結局、半年後には使用を取りやめることになりました。きっかけは社内の「見える化コンテスト」です。

NORENへの乗換の経緯

―「見える化コンテスト」で何があったのですか?

野口氏

「社内見える化コンテスト」と題して、事業部間で社内Webサイトの出来栄えを競うコンテストがありました。ある事業部が優勝したのですが、社長が、どれ優勝した事業部はどんなWebを作っているのかなとURLを入力したところ、「アクセス権限がありません」というエラーメッセージが出ました。マイコン事業部の社内Webは、閉じられていた内部用のサイトだったのです。

「何だ、これは。「見える化」になってないじゃないか」と社長は怒りました。「ウチはCMSツールを入れたんじゃなかったのか。どうなってるんだ。調査しろ」と指示が下り、それに呼応して、各事業部の製品Aの利用状況を調査したところ、なかなか悲しい結果が出てしまいました。

製品Aを導入して、全70事業部にデモを見せて、その後、これを使いたいと申請してきたのが8事業部。うち5事業部は、1回使って、これは使えないと使用を中止。結局、製品Aを最後まで使っていた3事業部は、マイコン系、開発系などプログラミングが得意な部署。つまりCMSなどなくても自力でWeb構築ができるような部署だけでした。

我々コーポレートコミュニケーション部(以下、CC部)が、製品Aに対して感じた「使えない」という印象は、どうやら社内みなに共通していたようでした。システムを適切に入れれば効率化されることは言わずもがなですが、役員クラスが調査しろとコメントしてくれたことは、非常に大きな追い風となりました。

自由度がちょうど良い製品としてNORENを選ぶ

―その調査の後、どのような行動をとったのですか?

野口氏

この状況で製品Aを使い続けていても、状況が改善する見込みは薄いので、この際、別の製品に乗り換えることにし、ゼロベースから製品を比較検討しました。

4種類の製品を比較しましたが、結局、以前から良いと思っていたNORENを採用することにしました。同じ電機業界の日立で実績があることもプラスでした。同じ業態の会社であれば、やりたいこと、やれること、やらねばならないこと等が大体同じであるはずです。日立にとって良い製品ならNECエレクトロニクスにとっても良い製品なのだろうと思われました。

―製品Aは、「自由度が高すぎて困る(その自由はいらない)」とのことでした。NORENの自由度への評価はいかがでしょうか?

野口氏

NORENは、自由度が非常に高い製品と、自由度がほとんどない製品の中間、中庸あたりだと思います。

CMSの場合、自由度が高すぎるのは、面倒も多くて困ります。しかし、1から10まで全部CMSの言うとおりに作らねばならない、まったく自由度がない状況もまた困ります。社内Webをゼロから構築する場合は、それで何とかなることもあるかもしれませんが、弊社の場合、CMS導入以前にすでにガイドラインがあって、それに沿ってサイトを運営していました。ですから、そのガイドラインを実現できる程度の自由度はCMSに必要でした。その意味では、NORENは、自由すぎず、不自由すぎず、ちょうど良い自由度だったと思います。

NORENへの社内の反応

―各事業部のNORENへの反応はいかがでしょうか?

野口氏

先日、70事業部にデモを見せまして、「これなら使えそうだ。使いたい」と言ってきたのが20事業部。つまり全体の3割です。製品Aの使用を希望したのが8事業部だったのに比べれば倍以上ですね。

経験的に言って、こういうツールは、社内普及率が30%を超えれば、様子見だった事業部も、我も我もと後に続きます。NORENの普及率はスタート時点ですでに3割に達しているので、今後、社内全体に普及していくのは時間の問題でしょう。

CC部の視点から見たNORENの良いところ

―CC部の視点から見て、NORENの良い点はどこですか?

野口氏

以下の3点が良いと思います。

  • 1.インターフェースが分かりやすい (Word、Excelが使えれば使える)
  • 2.パンくずリストやサイトマップなど、手作業では忘れがちな部分を自動的に生成してくれる(手間いらず)
  • 3.「ひながた機能」がある (スタートが簡単)

―では1つずつお聞きします。「インターフェースが分かりやすい」とは具体的には?

野口氏

NORENの場合、Webコーディングと言うよりは、帳票を埋めていくイメージで作れます。かつての製品Aと比べてというだけでなく、他の分野の色々なソフトと比べても、分かりやすい方のインターフェースではないでしょうか。

CMSというのは、利用部門に使いこなしてもらってナンボのシステムなので、インターフェースのわかりやすさは重要です。NORENは、Word、Excelが使える人なら、使いこなせるレベルの簡単さで良いと思います。

―次のポイント。「パンくずリストやサイトマップなど、手作業では忘れがちな部分を自動的に生成してくれる」とは?

野口氏

サイトマップも、パンくずリストなどは、サイトを見やすくするには重要な要素ですが、サイトを作成する立場からすれば、作業が煩雑でつい忘れがちです。NORENはそういう「あった方が絶対に良いのだが制作や管理が面倒なWeb要素」は、勝手に自動生成してくれるのは有り難い。「新着情報」を自動的にトップページに載せてくれるのも良いです。

―最後のポイント「ひながた機能がある」とは?

野口氏

NORENサーバには、その名もズバリ「ひながた」というサイトを作れます。これがあることで、社内Webを「最初に始める時の負担」が大幅に軽減されます。以下のように。

  • 1.ある事業部が、「よしウチも事業部Webサイトを始めるぞ」と思ったとする。
  • 2.そう思ったなら、NORENサーバの「ひながた」をそっくりコピーしてくればよい。後は事業部名の欄だけ書き換えれば、それで全体の4割は完成した状態でサイト作成をスタートできる。

どんな仕事でも、最も負担が重いのは、はじめの一歩を踏み出すことです。それを「ひながた」という形で支援しているのは分かりやすくて良いと思います。

現在のWeb更新の作業フロー

―現在、各事業部での日々のWeb更新、つまり「ページ作成 → 公開」は、どのようなフローで進めているのでしょうか?

野口氏

部門内の更新担当者が作成、公開し、それを情報管理責任者が見て、良くない内容が公開されていたら、すぐに版を戻すというような運用。一種の「リアルタイム後追い」です。

公開されてからチェックするという体制は外向けのWebでは許されませんが、イントラWebなら、これぐらいのゆるさでちょうど良いと思っています。

アイアクトへの評価。NORENへの今後の期待

―今回、サイトの構造設計やひながた制作などの開発作業はアイアクトに委託して行ったとのこと。アイアクトへの評価をお聞かせください。

野口氏

私がWeb開発会社の良し悪しを判断する基準にしているのは「プロトタイプ作りが早いかどうか」です。プロトタイプがすぐできてくるということは、1)技術力がある。2)こちらが言ったことをよく理解している(のみこみが早い)ということです。アイアクトさんは、こちらの話を少し聞いたら、「じゃあ、ここの所こんなかんじですか」というように、すぐに現物プロトタイプを作ってくれました。優秀な開発会社だと思います。

―今後のNORENへの期待をお聞かせください。

野口氏

こういうパッケージ製品は導入してしまったら、メーカーさんと一蓮托生だと思っています。というわけでアシストさん、アイアクトさんとは一蓮托生になりました。わたしも製品AからNORENに乗り換えるに当たっては「何かあったら責任とります」と役員にタンカを切った手前があります。そういうわけですので、今後も、技術の改善、インターフェースの改善を弛まず続けてください。そうしてNECエレクトロニクスの内部コミュニケーションの改善を今後もシステムを通じて下支えしていただけるようお願いいたします。期待しています。

―今日は貴重なお話しを有り難うございました

※取材時期:2006年10月

NOREN構築事例

NECエレクトロニクス 社内ポータルサイト

NECエレクトロ二クス様のイントラネットはポータルサイトおよび70もの事業所サイトによって構成され、2万人の従業員が毎日利用しています。NOREN4によってユーザ・インターフェースの統一によって訪問者にも易しく、他方、更新作業の負荷が軽減され、更新のスピード・頻度が向上することによって情報活用のレベルが飛躍的に向上しています。

NECエレクトロニクスWebサイト http://www.necel.co.jp/

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